業界仕事をやっていた時代は作曲と編曲(作詞はしない)を一緒にやる仕事が多かったので、
メロディー作りとサウンドクリエイション両方に思い入れがありました。
10年前業界仕事を離れて、初心に戻ってストリートからやり直して以来ほんとに色々な事があって、
そして今年からまた本格的に音楽アーティストとしての活動を再開した所です。
この10年の色んな経験を踏まえて、今までの自分とは違う新しい音楽活動をやるぞ、
という意気込みで、以前使っていた音楽機材やシンセサイザーなどはすべて一新しての音楽作りと歌の仕込みを始めました。
で、前回は今進めているNEW ALBUMのコンセプトについて書いたんですが、
音聴いて分る人は分ると思うんだけど、このアルバム作りは音楽スタイルとサウンドクリエイションに重きを置いたものなんです。
もちろんメロディーも奏でるんだけれど、それは作曲家として1曲の珠玉のメロディーを作るというようなアプローチではなくて、
エスニックで幻想的なサウンド世界を活かす様なメロディーワークという感じです。
あえてヴォーカルは”VOICE”として使って行く所なんかにもそれが現れています。
これはこれで、サウンドクリエイターとして楽しみながらやって行くわけですが、
作曲家、シンガーとしての自分はそれだけではどうしても満足しないわけです。
普通に1曲の珠玉のメロディーを歌いたい、作りたい、という思いが強い。
じゃあ一緒にやればいいじゃん?て事になるんだけど、普通の音楽はそうなんだけど、
どうしてもこのアルバムの音楽スタイルでは両立が出来ない。
なので、ライブで歌って行く音楽は全く別の世界で行こうということに決めました。
その形は、あえてすでにある色んなスタンダードナンバーを思いっ切り歌って行くこと。
それは普遍的なスタンダードナンバーの魅力を再認識してもらいたいからなんです。
なぜそういう思いになったのかと言うと、どうも最近ラジオから流れてくる新しい音楽に素晴らしいメロディーがとても少ない。
世界の音楽業界がメロディー軽視の時代に入ったのではないか、という危惧を感じるんですね。
音楽業界には、20年回帰説というものがあります。
20年ごとに似た感じの流行が起きるという意味。
なぜそうなるのか自分的な解釈を話すと、人は多感な10代の頃に良く聴いた音楽にとても影響されやすい。
ミュージシャンや音楽プロデューサーも同じで、10代の頃に影響を受けた音楽に傾倒しやすい。
で、彼らが音楽業界で立場を得、旺盛に活躍するのは30代なんです。
だから20年おきにそういう現象が起きてくるのだろうと感じています。
実際に2000年代は80年代の音楽に回帰する現象が顕著にありました。
思い出してみると分ると思うんだけれど、80年代以前は色んなアーティスト達が本当に良いメロディー、名曲を生み出していたでしょ。
思い出のアーティスト達を思い返して見てください。
ところが、90年代はサウンド志向のアーティストが主流になり、珠玉のメロディーが中々生まれない時代になってしまったんですね。
90年代に生まれた名曲ってあまり思い浮かばないでしょう。
20年回帰した2000年代は80年代の影響である程度良くなったけれど、
2010年代は実は名曲があまり生まれなかった90年代が回帰する時代になるわけです。
まあ、おれもサウンドクリエイションを楽しんでいるので人のことは言えないんだけど、
このままサウンド志向ばかりが世の中を席巻して行ってしまったら、ほんとに良いメロディーというものが生まれなくなってしまうのではないかと。
それはとてもさびしい事で、音楽の世界としても情けないというか、非常にもったいない状況であると思うわけです。
だから、過去の名曲の素晴らしさをもう一度再認識してもらいたいと思うのです。
新たなスタンダードブームを起こしたいくらい!
この10年、ストリートからやり直して修行して来た歌唱の力を最大限にそれに傾けたい。
そうして珠玉のメロディー達の普遍的な魅力を世の中に再確認してもらう。
そしてまた多くのアーティストや作曲家達が積極的に新たな名曲を創り出して行く時代になってもらいたい、というもう一つの目標が出来た。
そして業界仕事時代、精神的な問題も抱えながら3〜40%程度しか力を出せなかった忸怩たる思いがある自分としても、
今それをほとんどクリアした新しい自分で、これからずっと歌い継がれるような名曲を生み出して行きたい。
元々歌い手として世に出たかった自分の本来の夢、シンガーとして世界で活躍したい。
50歳になった区切りの今年、新ZAKIとなった気持ちでロケットスタートを踏み出しました。
今年中に完璧な英語の発音と、名曲レパートリーを身に付けます。
おれ有言実行タイプじゃなかったんだけど、初めてやろうとしてるよ。
何かが自分の中で大きく変わったのか。
いや、今までやって来た色んな修行の伏線が今ここに集結して一斉に引き金を引かれた様な感覚だ。
それでね、その先にさらにその10万倍くらいデカイ目標があるんだけれど、今は秘密なのさ。
出来るものならやって見やがれこのバカヤロウっ!!